2013年09月21日

 版 画

木版画は中学生の頃から好きでした。分けても掘る作業がことのほか好きで、版下を拵えた後はひたすら彫刻刀で掘ることに没頭します。私の版画は浮世絵の版画同様まず主版(おもはん)という線画の版を拵えて、その版を元に色付け用の版をおこします。多くの色を使う多色刷りは面倒なので、多くても2版から3版ほどのものですが、少ない版で奥行きが出るように下絵の構図には工夫を凝らすようにしています。

    

画像のものは年賀状用に掘った染付け風版画です。骨董品のそば猪口の絵付を縦長にデザインしなおして構成しました。左の富士山は雲から突き抜けて頭を出す富士がちょっとひょろ長い意匠ですが、高さを強調するためにこうなりました。それがまた北斎風にひょうげて愉快です。雲は唐草模様のように繋がって、ぐるぐる回帰する吉祥模様です。

右のウサギはこれまた染付け風ですが、兎が波に乗ってやってくるいかにも上げ潮な構図です。2011年のお正月用に作ったもので、まさかその年に震災があるとは想像だにせず、岩手のご親戚に送ってしまった作品です。まだまだ復興はとば口ですが、海からの新生を願うシンボルになれば何よりです。

版木を掘っていると無我夢中になれるので、浮世の憂さを忘れます。只の平たい板が掘るにつれて凹凸になり、彫り上げて最初に刷る一枚はワクワクします。刷りを本格的に修行していないせいで刷り上がりが些か雑ですが、それも味と思っていただければ幸甚です。

会場ではオリジナル版画を展示します。合わせて、データー化したCDを販売します。年賀状に、また福を呼ぶお札のようにお使いいただければと存じます。

記事初出9月18日


posted by 陶房かまなりや at 00:00| 版 画