2013年09月17日

 十郎梅干し ☆

神奈川県小田原市には、曽我梅林という梅の名産地があります。その歴史は
500年とも云われ、多くの梅農家が白加賀や南校といった品種を育てています。
中でも、『十郎(じゅうろう)』 品種は梅干しに最適で、果肉の柔らかさと果皮の
薄さ、香りの良さなどが秀逸で、それは美味しい梅干しができます。

    
干し始め、かんかん御天道様の有難さ。      干し上がり、朝露がしっとり。

私の梅干しは、この曽我別所梅林 『昇珠園さん』 の完熟十郎梅2Lの中粒品を
使い、13%という減塩で漬け込んでいます。赤紫蘇は使わない、いわゆる白干し
(関東干し)です。樹上完熟した品を6月に塩漬けし梅雨が明けた夏土用の3日間、
太陽に当てて干し上げます。今年は猛暑で梅干し作業も捗りましたが少々日差し
が強すぎて、干し過ぎになりそうでしたので2日半で揚げました。

夜も野外に出したままにして夜露をあてます。日中、陽に晒された梅は夜露に
あたることでしっとりと仕上がります。まんべんなく陽に当たるよう一つ一つ梅を
返すのですが、これは朝露の残る早朝に作業します。初日はヘソを外側に、
2日目は内側に、3日目の朝には上に向けて全体に陽を当てます。

干したては香りは良いですが塩味と酸味の主張が強く、すっぱしょっぱいです。
半年から一年経つと落ち着いてバランスの良い保存食になります。減塩では
ありますが常温で保存できます。然しながら減塩の弱点か2年以上置くと香りと
旨みは薄くなってきます。1年から1年半で食べきっていただくのがお奨めです。

生梅と国産海塩だけで作ったシンプルな梅干しですが、日本人の知恵と梅の実
の滋養がぎゅうっと凝縮されたその旨みは、ご飯のお供に最適です。そしてこの
『十郎梅星』 も、私の手から生まれた"食"の 『分身工芸品』 です。

記事初出9月30日


posted by 陶房かまなりや at 00:00| 梅干し ☆